映画『君の名は。』と防災行政無線



公開からわずか3日間で興収12億円超となり、現在、大きな盛り上がりを見せる新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」。

東京に住むイケメン男子高校生と、田舎に住む美少女女子高生が夢の中で体と心が入れ替わってしまうという現象を軸に、
物語は意外な展開を見せていくというストーリー。

こう書くと、「ありがちな設定」だと、それほど鑑賞意欲が高まらないが、
実際に鑑賞した者として言わせてもらうと、ダマされたと思って見て欲しい。

ネタバレをさせたいワケではないので、ストーリーに関してはこれ以上触れないが、
物語の序盤に、防犯・防災に関するニュースを扱うメディアとしては、見逃せない描写があった。

それは、主人公の1人であるヒロイン・宮水三葉が住む実家に設置されていた同報系防災行政無線の個別受信機と思われる端末。
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↑こんな端末だった気が…

同報系防災行政無線とは、地方自治体が、避難勧告や避難指示、各種注意報、警報を住民に周知する目的で設置している無線設備だが、
防災用途以外にも、市役所や町役場などが選挙やお祭りなど、何か周知させたい時に使われることも珍しくない。最近では凶悪事件の発生を周知させる目的で使われることもある
夕方になると、音楽やチャイムなどが流れるスピーカーといえば、ピンと来る人も多いだろう。

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そんな同報系防災行政無線は、町の各所に設置されたスピーカーだけでは、大雨などで音が聞こえないといった課題が指摘されるようになってきた。
背景には、2013年10月に台風26号を契機に伊豆大島で起きた土石流災害での被害が教訓として生きている。
そうした中で、普及が進みつつあるのが、個別受信機や防災ラジオの数々だ。

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街角に設置されたスピーカーでは、聞き取れなかったり、聞き逃してしまうこともあるが、各家庭に設置される個別受信機であれば、より確実に情報を届けることが可能だからだ。

個別受信機にもさまざまなタイプがあり、防災行政無線だけを流すだけの専用端末から、普段はラジオとして使えて緊急時には防災行政無線が自動割り込みで放送されるもの、かつてアナログTV放送で使われていた周波数帯を使ったV-Lowマルチメディア放送「i-dio」に対応する防災ラジオなど、屋外設置のスピーカーを補完するための機器が続々と世に出ている。

そうした最新トレンドをサラッと抑えているあたり、新海監督及び制作スタッフの高いリサーチ力とリアルさへの探究心のを感じずにはいられない。

ちなみに物語が進んでいくと、再び防災行政無線に関係するシーンが出てくるが、その辺はぜひ実際に鑑賞して確かめてほしい。

アニメ映画というと、大人は少し敬遠してしまいがちだが、時間が許すならぜひとも劇場に足を運んでもらいたい。